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葛飾北斎(1760-1849)

葛飾北斎(Katsushika Hokusai)について

葛飾北斎は(1760-1849)は、江戸時代後期に活躍をした日本を代表する浮世絵師の一人である。

70年にわたって浮世絵の全てのジャンルにおいて第一線でえがき続けた巨人である。晩年の北斎は為一の画号を用いて活動をしている。
70歳を過ぎてからの『富嶽三十六景』、『諸国滝廻り』などの風景画は、合理的な空間構成・動感と緊張感に富む構図など、円熟した北斎でしかなしえなかった世界観である。

北斎の最も印象的な作品は、『冨嶽三十六景』の「神奈川沖浪裏」と「爽風快晴」である。「神奈川沖浪裏(大波)」や「凱風快晴(赤富士)」は、見た瞬間に記憶に残る強い造形をもっている。

90歳まで生きた北斎は、70年の長いキャリアの中で浮世絵のあらゆるジャンルにおいて第一線で描き続けた巨匠である。

北斎は江戸の本所割下(現在の東京都墨田区亀沢)の町人の家に生まれた。19歳で当代きっての役者版画家・勝川春章の工房に入り、翌年プロデビューする。35歳頃には勝川派を離れ、独自のスタイルを確立した。

北斎はあらゆる画法を学び、私的な依頼による摺物など、通常の多色刷り版画(錦絵)以外のジャンルでも活躍した。
北斎の版本挿絵は主に文化年間(1804-1818)に制作され、彼の作品の発展において特に重要な要素であった。これらの作品はすべて、この世に存在しないもの、存在するが目に見えないもの、たとえばパワーやスピードのようなものを描いている。

北斎はまた、『北斎漫画』に見られるような見事な絵柄の絵本の制作にも力を注いだ。

多色刷り版画(錦絵)のシリーズ形式では、北斎は70年代前半に風景版画に力を入れ、『富嶽三十六景』シリーズや『諸国滝廻り』などの傑作を生み出した。これらの作品には、論理的な空間構成など西洋絵画の手法の研究、あるいは挿絵本で磨かれたダイナミズムと緊張感に満ちた構図など、それまでの経験の成果が表れている。「神奈川沖浪裏」の迫真のダイナミズム、『冨嶽三十六景』、『諸国滝廻り』シリーズのアメーバのような岩肌を流れる滝。いずれも一度見たら忘れられない力強い作品である。北斎の鳥花版画も同じである。和紙の小さな画面の中に、かくも壮大な表現ができたことは北斎の独自の再現力に他ならない。


画像出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システム・国立国会図書館デジタルコレクション(https://dl.ndl.go.jp/pid/1119689/1/165)